理学部物質地球科学科地球環境系の千徳明日香准教授が、第67次南極地域観測隊の夏隊員に選出されました。
今回の南極地域観測では、南極観測船「しらせ」による海洋調査に加え、南極大陸沿岸域での陸上地質調査も予定しています。これらを通じて、極域の深海に生息するサンゴなどの底生無脊椎動物を採集?分析し、南極の生物の進化史や,南極の環境変動を明らかにすることを目指しています。
<千徳明日香准教授のコメント>
私はこれまで、南西諸島海域を中心としたサンゴや腕足動物など底生無脊椎動物の多様性、骨格形成のメカニズム、化石サンゴを用いた環境変動への応答を専門に研究してきました。
今回、南極という極限環境に生きる“氷の下のサンゴ”に着目し、沖縄とは対極にある海洋環境でサンゴがどのように生きているのかを明らかにしたいと考えています。さらに、深海サンゴの骨格や腕足動物の殻には、数百年にわたる環境情報が年輪のように刻まれており、それらを精密に分析し、南極の環境変化を読み解きます。
地球環境の長期的な変動を、沖縄と南極という両端から比較することで、海産無脊椎動物の進化史やグローバルな気候変動の理解につなげていきたいと考えています。応援よろしくお願いします。
?本観測は、文部科学省および国立極地研究所による南極地域観測計画に基づき、2025年11月より実施される予定です。千徳准教授は日本を出発後、南極大陸沿岸海域における研究観測の重点研究観測部門で観測に従事する計画です。
※参考:文部科学省「第67次南極地域観測隊員の選定について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/06/1418062_00014.htm